コンテントヘッダー

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
コンテントヘッダー

映画「お茶漬けの味」

制作=1952年 日本映画。配給=松竹。上映時間105分。監督=小津安二郎。脚本=野田高梧、小津安二郎

出演=佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、笠智衆、淡島千景、津島恵子、三宅邦子、柳永二郎、十朱久雄、望月優子、北原三枝ほか。

お茶漬けの味1


あらすじ
=妙子が佐竹茂吉と結婚してからもう七、八年になる。信州の田舎出身の茂吉と上流階級の洗練された雰囲気で育った妙子は、初めから生活態度や趣味の点でぴったりしないまま今日に至り、そうした生活の所在なさがそろそろ耐えられなくなっていた。

妙子は学校時代の友達、雨宮アヤや黒田高子、長兄の娘節子などと、茂吉に内緒で修善寺などへ出かけて遊ぶことで、何となく鬱憤を晴らしていた。茂吉はそんな妻の遊びにも一向に無関心な顔をして、相変わらず妙子の嫌いな「朝日」を吸い、三等車に乗り、ご飯にお汁をかけて食べるような習慣を改めようとはしなかった。


感想
=監督曰く「ぼくは女の眼から見た男、顔形がどうだとか、趣味がいいとか言う以外に、男には男の良さがあるということを出したかった。しかしあまり出来のいい作品ではなかった」これは実感だろう。


本作は昭和でいうと、27年の制作である。戦後7年経っている。朝鮮動乱が起きたのが25年で、日本は特需景気に沸いた。といっても、庶民はまだまだ貧しかった。庶民の生活が向上するのは、池田内閣の所得倍増政策が軌道に乗る30年代の後半からである。


この映画の夫婦は、かなり豊かな暮らしぶりだ。子供はいないが、2階建ての一軒家に住み、女中を二人雇っている。電話も引いてある。一般の家庭は、近所の裕福なお家の電話に呼び出してもらっていた時代である。


主人は商事会社の部長である。部長といっても、サラリーだけでこんな暮らしが出来るわけがない。奥さんが上流階級の資産家出身という設定だから、納得できる。育ちの違いから夫婦に亀裂が生じるのも、ありうる話だ。


新婚旅行は熱海が常識の時代に、この奥さんは修善寺へ行ったり、神戸の須磨へ旅行したりと、優雅な生活を送っている。友達を訪ねて最初の挨拶が「ご機嫌よう」だから、実に気取った連中だ。我々とはかけ離れている、といえるだろう。


本作には、当時の風俗がわりと丁寧に描かれている。パチンコや競輪、とんかつにラーメンなど、庶民の娯楽や食い物が登場する。パチンコ屋の店主は、主人公の軍隊時代の部下で、生きるためにこの商売を始めたのだが、こんなものが流行るのは間違っている、と廃業を決意するのだ。


社会批判をしない作風の小津映画には、珍しいセリフだろう。現にシンガポール時代の思い出話が出てくるのだが、戦争はないほうがいいと言うものの、反戦思想は皆無である。南国の夜や、美しい南十字星を懐かしんでさえいる。


リアリティに欠ける繰り返しの多い会話、現実離れした心理描写。ここでも小津調は健在だ。しかし、あまり退屈させないのは、さすがに語り口がうまい大監督である。最後に、夫婦はお茶漬けの味だ、と二人で慣れない台所仕事をする件は、胸が熱くなった。


原節子が出ていないのは残念だが、木暮実千代は貫禄のある美女ぶりで、若き日の淡島千景も魅力的。相変わらず女優の使い方がうまい監督である。前作「晩春」には及ばないが、佳作の部類に入るのは間違いない。70点が妥当な線か。

スポンサーサイト

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

このページのトップへ
コンテントヘッダー
コンテントヘッダー

コメントの投稿

非公開コメント

このページのトップへ
このページのトップへ
プロフィール

中年ジュリー

Author:中年ジュリー
6月14日 東京生まれ 双子座 東京在住
好きなタレント=長澤まさみ、剛力彩芽
趣味=プチ旅行、DVDで映画鑑賞、ひとり酒、B級グルメ食べ歩き、昼寝

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
FC2拍手ランキング
不良中年・天国と地獄
懲りない男の反省と悔恨の日々

FC2Blog Ranking

不良中年・天国と地獄
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。