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映画「サイレンサー」

制作=2005年 アメリカ映画。配給=タキ・コーポレーション。上映時間=93分。監督=リー・ダニエルズ。出演=キューバ・グッディング・Jrヘレン・ミレン、ヴァネッサ・ファーリト、メイシー・グレイ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、スティーヴン・ドーフほか。

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「クィーン」で2007年のアカデミー主演女優賞に輝いたヘレン・ミレンが、女殺し屋に扮した2005年製作の異色クライム・サスペンス。共演は「ザ・エージェント」のキューバ・グッディング・Jr


女ヒットマンのローズヘレン・ミレン)は末期ガンに冒され、今度の仕事を最後に引退して静かに余生を送ろうと心に決めていた。そんな彼女に対し組織のボス、クレイトンが依頼した殺しは、彼の妻ヴィッキー(ヴァネッサ・ファーリト)の暗殺だった。恋人であり仕事のパートナーでもあるマイキーキューバ・グッディング・Jr)と共に、さっそくヴィッキーの屋敷に忍び込むローズだったが…。

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白人の年増女と、若い黒人の男。二人は同業で、恋人同士という設定だ。昔なら禁断の恋だが、現代では珍しいことではない。この二人がどうしてそういう関係になったのか、それはかなり衝撃的な経緯がある。ここはうまく出来ていた。


冒頭も手際よく仕事をこなす二人の姿が恰好よく描かれている。しかし、臨月のヴィッキーが破水するのを見て、ローズは心変わりする。仕事を放棄し、ヴィッキーをかくまうのだが、それらの展開がかったるい。とたんにテンポがわるくなるのだ。


出産後の処置をボスのお抱え医師に頼むのだが、この医者が若すぎて見るからに頼りない。おまけに黒人女と恋仲なのだ。ヴィッキーの親友も黒人女で、こういう組合せは意図的なものらしい。何か主張があるのだろうが、それはなんなのか、こちらには伝わってこない。


マイキーローズの濡れ場があるが、かなり大胆なショットだ。ローズの死後、マイキーヴィッキーと夫婦のような仲になったらしい。子供がマイキーをパパと呼ぶのだが、この辺は曖昧に描かれている。


この映画、スタイリッシュな映像にこだわり過ぎ、曖昧な部分が多すぎる。車椅子に乗った連絡係の中年男も、いやボスの実像もよくわからない。悪党のくせに次々と殺しを依頼するのはどういうわけか。子分たちにやらせれば、余計な金を使わないですむはずだ。よほど稼ぎがいいらしい。


所々、予想外なエピソードが挿入されていて、まったくの駄作とは言い切れないが、全体としては緩い進行で、かなり退屈するのは否めないだろう。アカデミー賞俳優が二人主演ということで、期待して見たが、強くはお薦めできない作品だ。惜しい、と言っておこう。50点。

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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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ペントハウス

制作=2011年 アメリカ映画。配給=東宝東和。上映時間104分。監督=ブレット・ラトナー。出演=ベン・スティラーエディ・マーフィ、ケイシー・アフレック、アラン・アルダ、マシュー・ブロデリックほか。

ニューヨーク、マンハッタンの一等地に建てられた超高級マンション「ザ・タワー」最上階のペントハウスに暮らす大富豪のアーサー・ショウが、2000万ドルの詐欺容疑で逮捕され、使用人たちの財産も騙し取られていたことが発覚。

ザ・タワーの管理人として働くジョシュは、使用人たちとチームを組み、厳重なセキュリティに守られたペントハウスに忍び込んで、ショウの隠し財産を奪い取るという計画を練るのだが……。

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ベン・スティラーエディ・マーフィが初共演し、大富豪にすべてを奪われたビルの使用人たちがチームを組んで復讐する姿を描くアクションコメディ。監督は「ラッシュアワー」のブレット・ラトナー。

詐欺の加害者が大金持ちで、被害者が往々にして下層階級というのは、弱肉強食の資本主義社会では、よくある話である。ただし、貧乏人を騙してもタカがしれている。大口詐欺の巻き添えで騙されるのが常道だ。

騙された使用人たちは、素人の集まり。ベテランのコソ泥をリーダーにするのだが、それがエディ・マーフィの役。エディ・マーフィと言えば、マシンガントークがウリだった。今もその片鱗は残っている。

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ペントハウスに忍び込んで、隠し金庫を見つけるまではよかったが、中は空っぽだった。横領した金はどこにあるのか。FBIの捜査官も入り混じって、ドタバタ探索が続く。素人の使用人にも、意外な才能が隠されていて、ついに見つけたのだが。

コメディタッチなので、肩が凝らないのが取り柄か。スリル度が低いのは必然で、そこは我慢すべきだろう。ショシュと女捜査官との淡い交流が、あるようでないような曖昧さが、意外にいい。重量感には欠けるが、まあすんなりと鑑賞できるから、点数をつけるのは遠慮する。気になる人はどうぞ。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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小津安二郎監督作品「東京物語」

制作=1953年 日本映画。配給=松竹。上映時間=136分。監督=小津安二郎。脚本=野田高梧、小津安二郎。出演=原節子、香川京子、東山千栄子、笠智衆、杉村春子、山村聰、三宅邦子、東野英治郎、中村伸郎、十朱久雄、大坂志郎ほか。

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あらすじ=1953年の夏、尾道に暮らす周吉とその妻のとみが東京に旅行に出掛ける。東京で暮らす子供たちの家を久方振りに訪ねるのだ。しかし、長男の幸一も長女の志げも毎日仕事が忙しくて両親をかまってやれない。戦死した次男の妻の紀子が、わざわざ仕事を休んで、2人を東京名所の観光に連れて行く。
 
両親の世話に困った幸一と志げは、2人を熱海の旅館に宿泊させる。しかし、その旅館は安価な若者向きの旅館で、2人は騒々しさになかなか眠れない。翌日、熱海から早々に帰って来た2人に対し、志げはいい顔をしなっかった。居づらくなった2人は、志げの家を後にする。

周吉は在京の旧友と久方振りに再会して酒を酌み交わし、とみは紀子の家に泊まる。ここでとみは、戦死した夫を忘れて再婚するよう、紀子に強く勧めるのだった。周吉は旧友に本音をぶちまけるほど泥酔する。深夜、泥酔状態のところをお巡りさんに保護されて、志げの家に帰ってきた。 

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感想=黒澤明、溝口健二とともに、日本を代表する映画作家・小津安二郎の代表作といえばこの「東京物語」だろう。小津がサイレント期から描き続けてきた親子関係のテーマの集大成ともいえる作品だ。地方から老いた夫婦が上京し、成人した子供たちの家を訪ねる。

ここから始まる物語は、親子の絆とは何か、というテーマを静かに、淡々と、しかし冷酷に抉り出す。人間は孤独な存在である、というのが作者の結論らしい。あらゆるシークエンスが、そのことを証明しているようだ。

唯一の例外が、戦死した次男の嫁、原節子である。血のつながらないこの女性が、親身になって老いた夫婦の面倒を見る。その健気な様子は、涙なくしては見られないだろう。原節子の日本的な美貌が、いっそうその献身ぶりを際立たせる。

志賀直哉を深く愛した小津監督は、『暗夜行路』にちなんで両親の住処を尾道に設定した。尾道の寂れた、それでいて温かい風景が、老夫婦の住処に最適なように映るのは、小津マジックにかかったからだろうか。

息子たちが住む東京は、どうやら下町、足立区あたりで撮影されたようだ。時々大写しになる4本の煙突は、北千住らしい。山の手ではなく、下町が舞台になっているのは、当時としてはもっとも東京らしさがあったからだろう。まだ高度成長前の東京が、そこにはある。

熱海のシーンでは、湯の町エレジーが流れ、流しの3人組が、夜通し流行歌を奏で歌う。昭和のメロディーだ。郷愁を誘う風景である。戦後の原風景が見られるのも、小津映画のいいところだ。

小津作品はいくつか見てきたが、本作はその中でも最高作ではないだろうか。どの作品よりも、現実を見る目がシビアである。この監督は、平凡な日常を題材にしながら、本質をえぐる確かな観察力を持ったリアリストであることがわかる。90点はあげてもいい傑作だ。

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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映画「いとこ同志」

制作=1958年 フランス映画。上映時間=110分。配給=東和。監督・脚本=クロード・シャブロル。出演=ジェラール・ブラン、ジャン=クロード・ブリアリ、ジュリエット・メニエル、クロード・セルヴァル、ステファーヌ・オードラン、ギイ・ドゥコンブルほか。

あらすじ=パリに受験のためにやってきた真面目な青年シャルル。彼はいとこのポールのアパートに同居することになった。熱心に勉強に勤しむシャルルの前で、ポールは女を引っ張り込み、遊びにばかり夢中になっている。

シャルルにも好きな女が出来たが、万事に要領のいいポールに取られてしまった。失意のシャルルは、ますます勉強に没頭する。が、そのかいもなく、落第してしまう。一方、ポールは一夜漬けの勉強で合格した。そして更なる不運がシャルルを待っていた。

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感想=フランス・ヌーベル・バークの名を一躍世界に知らしめた作品だ。もちろん先陣にルイ・マルの「死刑台のエレベーター」があり、後続のコタール「勝手にしやがれ」やアラン・レネが続く。彼らの映画は、いずれもファンに衝撃と興奮を与えた。

本作は、その完成度が群を抜いていて、特に評価が高かった。第9回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したのも頷ける。ゴタールほどの破壊力はないが、内容はこちらのほうが充実している。対照的な若者の生態を描いて余すところがない。

58年当時においてさえ、パリの学生がバルザックを読まなくなっていた、というのはショックだった。彼らが好むのはミステリーとポルノだった。日本よりもはるかに荒廃していたパリの学生たち。日本より豊かだったフランスの若者は、確実に堕落していたらしい

シャンゼリゼやカルチェラタンの佇まいは、いまも変わっていない。ロンドンやローマも同じだ。そこがニューヨークと違うところだろう。つまり歴史と伝統が街の風景を固定している。
 

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そういう古都の素晴らしさが、流麗なカメラでとらえられている。そこもこの映画の見どころだ。そして人生の皮肉というにはあまりにも苦い結果が、見る者の精神をわしづかみにする。

ヌーベルバークの作家たちは、アイロニーな人生観を持っていた。ルイ・マルにも、ゴタールにも、レネにも共通している。本作の作家も例外ではない。ラストにおける運命の暗転は、彼らの病める精神を反映しているのかもしれない。病理的な精神の彼らに映った真実。そこから目を逸らすことは許されないだろう。

ダイナミックな躍動感には欠けるが、そして若書きな青いところもあるが、傑作として推しても文句は出ないだろう。いつまでも鑑賞に堪える映画として、あるいは若者の精神史の一端を垣間見ることが出来る作品として、85点を付けたいと思うのだ。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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DVD「リミットレス」

制作=2011年 アメリカ。上映時間=105分。配給=プレシディオ。監督 ニール・バーガー。出演=ブラッドリー・クーパー、アビー・コーニッシュ、ロバート・デ・ニーロ、アンナ・フリエルほか

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あらすじ=作家志望のエディ・モーラは、人生のどん底にいた。小説は一行も進まないし、恋人には別れを告げられる。そんな時、偶然に出会った元妻の弟から、脳を100%活性化させるという革命的な新薬を渡される。

疑いながらも服用した30秒後、エディの人生は一変する。一晩で傑作小説を書き上げると、今度はビジネス界に進出、巨大な株取引や投資に成功し、ウォール街に旋風を巻き起こす。やがて業界の伝説的な投資家カール・ヴァン・ルーンと手を組み、ハイスピードで富と権力の頂点へと駆け上がっていく。

感想=「ハングオーバー!」のブラッドリー・クーパーが主演、「幻影師アイゼンハイム」のニール・バーガー監督が手がけたサスペンスアクション。原作はアラン・グリンの人気小説「ブレイン・ドラッグ」(文春文庫刊)。

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最近、脱法ハーブという言葉をよく耳にする。合法ではないが、違法でもないハーブなのだが、これを使用すると、精神に変調をきたす。理性が失われるようだ。いわゆるハイの状態になるらしい。

本作にはそれに似た薬物が登場する。脳を100%活性化するクスリだ。これを飲んだ主人公が、超人的な能力を発揮する。強力なクスリは副作用も強い。エディもそれに悩まされるのだが、同時に、クスリの争奪戦も起こるのだ。

クスリの超能力をイメージ化するのは難しいが、本作はある程度、成功している。ものすごいスピードで遠くへ移動したり、将来が見えたりするのが、フラッシュバックのように映像で提供される。

その点は本作の長所だろう。が、この種の映画に必ず付きまとうB級感は、本作でも例外ではない。名優ロバート・デ・ニーロが出演していても、否めないのだ。SF的ミステリーの宿命かもしれない。

ストーリーも、どちらかというとご都合主義だ。主人公の行く手に、いろいろと障害が用意されているが、難なく乗り越えられる種類のもの。仕掛けられた謎も底が浅い。最大の企業合併も、まことに安易に成功する。B級映画たる所以である。点数は50点くらいが妥当か。

テーマ : DVDで見た映画
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DVD「ラスト・ターゲット」

製作=2010年 アメリカ映画。上映時間=105分。配給=角川映画。監督=アントン・コルベイン。原作=マーティン・ブース。脚本=ローワン・ジョフィ。出演=ジョージ・クルーニー、ヴィオランテ・プラシド、テクラ・ルーテン、パオロ・ボナッチェリ、ヨハン・レイゼンほか

あらすじ=スウェーデン、ダラルナの森の一軒家で女性と一夜を過ごしたジャック(ジョージ・クルーニー)は、翌朝白銀の世界で何者かに狙撃される。間一髪で命拾いした彼は、狙撃手と連れの女性を同時に撃ち抜く。ジャックはイタリア・ローマに移動し、組織の連絡係パヴェル(ヨハン・レイゼン)に自分が突如襲われた理由について問きただすが……。

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感想=マーティン・ブース原作の「暗闇の蝶」を、写真家で『コントロール』などで監督も務めたアントン・コルベインが映画化。長年孤高の暗殺者とし裏街道を歩いて来た男が、引退を決意して臨んだ仕事に張り巡らされた恐るべきわなをサスペンスフルに映し出す。

これまでは、どちらかというと男の良心を代表するような役が多かったジュージ・クルーニー。本作では一流のスナイパーというアンチヒーローを演じている。クルーニーファンは、どう受けとめるだろうか。

冒頭、スナイパーに襲われた主人公は、相手を倒すと共に、同居している女も後ろから射殺する。自分の正体を知られたためか、それとも女が敵の一味と悟ったのか、原因不明。ただ、主人公は異常に用心深い性格であることが窺える。

ジャックはローマの郊外、田舎町に隠れてパヴェルの連絡を待つ。その間に、神父や娼婦との交友を通じて、人間的に目覚めていく。ストーリーは淡々と進行し、アクション・シーンはまったくない。この辺は、あるいは退屈する人がいるかもしれない。

私的には、いかにもイタリアらしい田舎町のたたずまい、風景が印象に残った。さすらいのトラベラーとしては、旅情を掻き立てられる光景た。こういう田舎町は、自分探しの旅先としては適している、と思う。

ジャックは繋ぎの仕事として、改造銃の作成を依頼される。依頼者は女殺し屋だった。もちろんターゲットを聞くことはルール違反だ。女の要望に応えて、ジャックは改造銃を完璧に仕上げる。

ここから話は急展開する。やっと動き出した、という感じだ。どんでん返しがあって、ジャックは娼婦と新しい生活に踏み出そうとする。ちょっぴり感傷的な結末が待っている。そこがこの映画のキモといえるだろう。

全体に静謐な感じの作品である。ハリウッド映画には珍しいトーンだ。ヨーロッパ映画を彷彿とさせる。異色のアンチヒーローものである。クルーニーに思い入れのある人は、不満に思うかもしれないが、地味ながら良質の映画といえるだろう。70点。

テーマ : DVDで見た映画
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DVD「フェイク・クライム」

制作=2011年 アメリカ映画。配給=プレシディオ。上映時間=108分。監督=マルコム・ベンビル。出演=キアヌ・リーブスベラ・ファーミガ、ジェームズ・カーン、ピーター・ストーメア、ジュディ・グリアほか

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あらすじ=ニューヨーク州バッファローのハイウエイ料金所で深夜働くヘンリー・トーン(キアヌ・リーヴス)は、看護師の妻と共に目的もなく漫然と日々を過ごしていた。ある日、高校時代の悪友たちから野球の試合に誘われ、車を銀行の前に停めて待っていたところ、突然ベルが鳴る。

知らないうちに彼は強盗の運転手にさせられていたのだ。逮捕されたヘンリーは仲間の事を一言も喋らず、懲役3年の刑に服する。刑務所で同房になったのは詐欺犯のマックス(ジェームズ・カーン)。彼は、ヘンリーに意義ある人生を送るようアドバイスする。そして1年後。仮釈放されたものの、妻が他人の子を身籠っていることを知って家を去るヘンリー。

雪が降る中、強盗のあった銀行の前にぼんやり立っていた彼は、突然クルマにはねられる。あわててクルマから飛び出してきたのは、舞台女優のジュリー・イワノワ(ヴェラ・ファーミガ)。彼女は隣の劇場でチェーホフの『桜の園』の主人公ラネーフスカヤを演じることになっていた。

感想=100年前の新聞記事で、劇場銀行の間にトンネルがあることを知ったヘンリーは、やっと生き甲斐を見つける。無実の罪で服役したのだから,代償として銀行の金を頂いてもいいだろう、というのが彼の理屈だった。

トンネルを掘って金塊を奪うのが「黄金の七人」だった。周到な計画で見事成功するのだが、もちろんオチがある。が、こっちは「黄金の七人」ほど知的ではない。そこが何とも歯がゆいところだ。

強盗が成功するのか、というスリルは一応ある。仲間の裏切りもあって、メリハリをつけようとしたのはわかるが、流れが安易なのはいただけない。最後に舞台女優との愛に目覚めたヘンリーの行動も、予定の範囲内だ。

つまりご都合主義が目立つので、歯ごたえがないのだ。いい加減な展開で見ていて眠くなるほどである。こんな作品にキアヌ・リーブスが主演するのは、ファンは納得できないだろう。いや、ファンなら何とか楽しめるかもしれない。

むしろ苦笑しているのは、地下のチェーホフだろう。「桜の園」がこんな使われ方をして、歯ぎしりしているかもしれない。演じる女優は悪くないのだが。ゆるふんの映画で、あまりお勧めできないのが残念でもある。40点。

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

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映画「お茶漬けの味」

制作=1952年 日本映画。配給=松竹。上映時間105分。監督=小津安二郎。脚本=野田高梧、小津安二郎

出演=佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、笠智衆、淡島千景、津島恵子、三宅邦子、柳永二郎、十朱久雄、望月優子、北原三枝ほか。

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あらすじ
=妙子が佐竹茂吉と結婚してからもう七、八年になる。信州の田舎出身の茂吉と上流階級の洗練された雰囲気で育った妙子は、初めから生活態度や趣味の点でぴったりしないまま今日に至り、そうした生活の所在なさがそろそろ耐えられなくなっていた。

妙子は学校時代の友達、雨宮アヤや黒田高子、長兄の娘節子などと、茂吉に内緒で修善寺などへ出かけて遊ぶことで、何となく鬱憤を晴らしていた。茂吉はそんな妻の遊びにも一向に無関心な顔をして、相変わらず妙子の嫌いな「朝日」を吸い、三等車に乗り、ご飯にお汁をかけて食べるような習慣を改めようとはしなかった。


感想
=監督曰く「ぼくは女の眼から見た男、顔形がどうだとか、趣味がいいとか言う以外に、男には男の良さがあるということを出したかった。しかしあまり出来のいい作品ではなかった」これは実感だろう。


本作は昭和でいうと、27年の制作である。戦後7年経っている。朝鮮動乱が起きたのが25年で、日本は特需景気に沸いた。といっても、庶民はまだまだ貧しかった。庶民の生活が向上するのは、池田内閣の所得倍増政策が軌道に乗る30年代の後半からである。


この映画の夫婦は、かなり豊かな暮らしぶりだ。子供はいないが、2階建ての一軒家に住み、女中を二人雇っている。電話も引いてある。一般の家庭は、近所の裕福なお家の電話に呼び出してもらっていた時代である。


主人は商事会社の部長である。部長といっても、サラリーだけでこんな暮らしが出来るわけがない。奥さんが上流階級の資産家出身という設定だから、納得できる。育ちの違いから夫婦に亀裂が生じるのも、ありうる話だ。


新婚旅行は熱海が常識の時代に、この奥さんは修善寺へ行ったり、神戸の須磨へ旅行したりと、優雅な生活を送っている。友達を訪ねて最初の挨拶が「ご機嫌よう」だから、実に気取った連中だ。我々とはかけ離れている、といえるだろう。


本作には、当時の風俗がわりと丁寧に描かれている。パチンコや競輪、とんかつにラーメンなど、庶民の娯楽や食い物が登場する。パチンコ屋の店主は、主人公の軍隊時代の部下で、生きるためにこの商売を始めたのだが、こんなものが流行るのは間違っている、と廃業を決意するのだ。


社会批判をしない作風の小津映画には、珍しいセリフだろう。現にシンガポール時代の思い出話が出てくるのだが、戦争はないほうがいいと言うものの、反戦思想は皆無である。南国の夜や、美しい南十字星を懐かしんでさえいる。


リアリティに欠ける繰り返しの多い会話、現実離れした心理描写。ここでも小津調は健在だ。しかし、あまり退屈させないのは、さすがに語り口がうまい大監督である。最後に、夫婦はお茶漬けの味だ、と二人で慣れない台所仕事をする件は、胸が熱くなった。


原節子が出ていないのは残念だが、木暮実千代は貫禄のある美女ぶりで、若き日の淡島千景も魅力的。相変わらず女優の使い方がうまい監督である。前作「晩春」には及ばないが、佳作の部類に入るのは間違いない。70点が妥当な線か。

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「食べて、祈って、恋をして」

制作=2010年 アメリカ映画。上映時間=140分。配給=ソニー・ピクチャーズエンタテインメント。

監督=ライアン・マーフィ。原作=エリザベス・ギルバート。脚本=ライアン・マーフィ、ジェニファー・ソルト。出演=ジュリア・ロバーツ、ジェームズ・フランコ、ハビエル・バルデム、リチャード・ジェンキンス、ビオラ・デイビス、ビリー・クラダップほか。

ニューヨークでジャーナリストとして活躍するエリザベス(ジュリア・ロバーツ)は、離婚と失恋を経た後、すべてを捨てて自らを探す旅に出る。イタリアでは食の快楽を追求し、インドのアシュラムでは精神力を高めるべくヨガと瞑想(めいそう)に励む。そして、最後に訪れたインドネシアのバリ島では、彼女の人生を大きく変える出会いが待っていた。
 

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エリザベス・ギルバートが自らの体験をつづった世界的ベストセラー「食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書」を、ジュリア・ロバーツ主演で映画化。ニューヨークで活躍するジャーナリストのエリザベスは、離婚や失恋を経験し、35歳で人生をリセットするために1年間の旅に出る。

旅は心身をリフレッシュしてくれる。人は旅をすることによって、非日常の体験をし、自分を再発見する。あるいは原点に戻ることが出来るのかもしれない。しかし、手軽になったとはいえ、旅をすることはかなりのエネルギーを要するのも確かだ。

ここに一人の30女がいる。フリーのライターとしてある程度の成功を収めているのだが、もうひとつ達成感が不足している。亭主は性格はいいのだが、甲斐性がない。若いイケメンの恋人では精神的に充たされない。

ないものねだりは凡人の習性だが、本作のヒロインはある意味エリートである。人も羨む生活をしている。普通なら、それ以上を望むのは贅沢というものだろう。それが我々の常識であるのだが、この映画のヒロインは不満なのだ。何とも我儘な女である。


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題名の「食べて、祈って、恋をして」はその通りで、ベタ過ぎて何の工夫もない。3つの都市での彼女の行動をなぞっただけである。特にイタリアでは、パスタピザをバカ食いし、ワインを飲みまくる。

これが実に美味そうなのだ。パスタピザは、料理人が作るところから見せてくれる。たぶん、一流の職人たちが出演しているのだろう。鮮やかな手さばきで料理を仕上げ、それをリズや友人たちがぱくつくという寸法である。

が、インドへ行くと、とたんにつまらなくなる。瞑想も、イケメンの恋人が心酔していたグルも、観客の共感を呼ばない。中年の瞑想仲間がいて、何かとチョッカイを出してくるのだが、ただの鬱陶しい男にしか見えないのだ。  

この男の心の傷が明らかになって、ヒロインは同情するのだが、リズは最後の土地、インドネシアのバリ島へ移動する。一年前に知り合った歯のないヨーダと再会、この老人の意味ありげな言質に感動するリズ。そしてバツイチの男と恋する仲になる。

総じてヒロインの都合がよいようにストーリーが展開して面白味に欠ける。優柔不断なアラサーの前に現れる人間は、どいつもこいつも中身がないのだ。かくして自分探しの旅は終わった。リズが得たものはなんだったのか。単なる観光ではなかったか。そしてこの映画は、その観光しか見どころがないままに終わっている。40点。

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「初恋のきた道」

制作=1999年 アメリカ/中国。上映時間=89分。監督=チャン・イーモウ。出演=チャン・ツィイー 、スン・ホンレイ、チョン・ハオ、 チャオ・ユエリンほか

初恋の来た道 

雄大な中国の自然を背景に、健気な少女の初恋を描く純愛映画。監督は「あの子を探して」のチャン・イーモウ。出演は「グリーン・デスティニー」のチャン・ツィイーほか。第50回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。

あらすじ=都会でビジネスマンとして働いているルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)が、父の急死の知らせを受けて数年ぶりに故郷の村へ帰ってくる。母(チャオ・ユエリン)は、古いしきたり通りに葬式をあげたいと願っていた。

ユーシェンは部屋に飾られた父母の新婚当時の写真を見ながら、昔聞いた彼らのなれそめを思い出していた。町から教師として赴任してきた20歳のルオ・チャンユー(チョン・ハオ)と、彼に恋い焦がれる18歳の娘チャオ・ディ(チャン・ツィイー)。ディはなんとか自分の想いを彼に伝えようとし、やがて二人の間には恋心が通じ合う。

感想=純愛映画の傑作、という噂は聞いていた。中国映画は玉石混合だが、佳作も多い。娯楽作が中心の香港と違って、本土ではシリアスな作品も作られている。本作はその中でも伝説の映画だ。


噂通りの傑作だった。貧しい辺境の村。冬は雪に埋もれて、農作物の収穫もままならない痩せた土地である。人々は貧しいながらも明るく生きている。老若男女、みんな屈託がない。


教師が来てから校舎を建てるというのんびりした村。働く人たちに、女たちは弁当を作って工事現場へ持っていく。ディもその一人だった。先生に何とかして食べてもらおうと、いろいろ工夫するのが何とも微笑ましい。


盲目の母は、娘の恋心を察知して、「身分が違うからあきらめな」と忠告する。大人の分別が、若い娘に通じるわけがない。娘は先生を招待し、夕食をご馳走する。そういう習慣が、この村にはあるようだ。


時代は文化大革命の頃らしい。町から迎えが来て、先生は村を去る。保守派の先生は、なぜ町へ帰ったのか、この辺は説明不足でよくわからない。二人が再会するのは2年後だった。


この映画をひと言でいえば、ヒロインの可憐さに尽きる。中国系の顔なので、好き嫌いがあるかもしれないが、笑顔の可愛さは、特筆ものだろう。本作によって、彼女が大スターの階段を上り始めたのも頷ける。80点。


蛇足だが、ヒロインの女優に売春疑惑が持ち上がっている。本人はもちろん否定し、訴訟も辞さない覚悟のようだ。一部のマスコミしか取り上げていないので、誤報かもしれないが、真相はどこにあるのだろうか。

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ジャンル : 映画

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中年ジュリー

Author:中年ジュリー
6月14日 東京生まれ 双子座 東京在住
好きなタレント=長澤まさみ、剛力彩芽
趣味=プチ旅行、DVDで映画鑑賞、ひとり酒、B級グルメ食べ歩き、昼寝

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